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松井修三の
思ったこと、感じたこと

機械換気を究める

投稿日:2014年9月26日

換気専門メーカーとしてイギリス最大手のAir Flow社のAlan Siggins社長を訪ねた。

2年ぶりの再訪にも関わらず、旧知の友人を迎えるような温かな歓迎を受けた。


2時間ほど会談したのだが、松井さんの質問とAlan 社長さんの答えを要約してみた。


「機械換気というのは、住宅設備の中でいちばん厄介で扱いが難しい分野だと思うのですが、いかがでしょうか?」


<電気工事業者もガスの配管工も資格が必要だが、機械換気の施工は資格がない。

これほど、健康にかかわる重要なことなのに。

人は、空気と水と住むところがあれば生きられるが、こと空気に関しては重要に考えない。なぜなら空気は目に見えないし、あって当たり前のものと思っているからである。

現在は、どこの国でも、室内空気はもとより外の空気も汚れている、だから機械換気が必要なのだという消費者教育が大事だと思っている。当社が換気システムだけに特化した商売をしているのは、正しく換気を行って家の中の空気をきれいにすることは、人々の健康の根幹に関わることなのだから、一番やりがいのある仕事であり、これからますます重要になると考えている。>


「正しいとお考えの機械換気の普及は全体の何パーセントぐらいでしょうか?」


<まだ、10%程度でしかない。ドイツで30%程度。>


「私も消費者教育のために毎週勉強会を開いています。根気よく啓蒙活動を続ける必要がありますね」


<そのとおりです。>


「2007年から義務付けられた中古住宅の省エネラベル制度によって機械換気は促進されているのでしょうか?」


<省エネラベルはAからGまでレベルが分けられているが、F以下となると断熱・気密も悪いので当然、換気も悪いということになる。

断熱改修を施し、当社の24時間換気をつければレベルはB以上になる。

イギリスは圧倒的に古い家が多い。政府は中古住宅のレベルアップをして、CO2削減を図るために、補助金を出して改善を勧めている。オフィスでも太陽光発電・ヒートポンプなどの設備にも補助金を出してくれる。

新築はマンション形式のものまで含めても年間10万戸程度である。>


「日本では、ダクトレス換気のような簡易なもので済ませたいと考える造り手がいるが、そのあたりはいかがなものか?」


<イギリスではダクトレスという言い方ではなく、シングルルーム用の換気だ。ドイツ製と同様の熱交換式のものを当社も販売しているが、それらはあくまでもシングルルーム用と考えるべきだ。>


「機械換気はアフターメンテナンスの手間が付きまとうと思うがそのへんはいかがか?」


<施工やメンテの手間は換気に限ったことではない。フィルターの掃除は基本的にはユーザーがやる。しかし、公営住宅などは高齢化や病気に備え、玄関ドアの上に換気本体を入れて、外からでも掃除できるタイプを納めたこともある。>


「イギリスではフィルターはどれぐらいで汚れるのか?東京では、3週間ほどで真っ黒になるが?」

<イギリスも同じである。ここの事務所も車道に面している方のものは2週間で汚れが目立つ。>


Alan社長は、最後にこう締めくくった。

<機械換気は単純なカテゴリーではあるが、とても奥が深いと思っている。そこに住まう人の健康は、家族の幸せの根源であると考えているので、私はこの換気の仕事を究めていきたいと思っている。とてもやりがいを感じる。

換気は窓開けで十分で、機械に頼るなんてと批判的だったお客様も、実際に使った暮らしを体験するとその良さを感謝してくれるようになる。

普及させるには、情熱を燃やし続けるのが一番だ。>


松井さんの考えと全く同じである。お二人は、機械換気の普及のためにがんばりましょうと固く握手を交わした。

                      久保田紀子

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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