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涼温な家 住み心地体感ハウス

松井修三の
思ったこと、感じたこと

耳触りのよい提案

投稿日:2013年6月26日

<「涼温の住まい」自然の気流を生かす>濱口和博、濱口玲子著/発行:彰国社という本を読んだ。

要約するとこんな内容である。

電力などの人工エネルギーに頼らなくても快適に暮らせる住宅を造れる。それには、中気密高断熱でつくることだ。適当に隙間がある方がよい。そうすれば、おだやかな涼温空間が得られる。風や日射しを上手に取り込む住まいづくりこそがエコ住宅なのだ。いまはやりの高気密高断熱型住宅はエコ住宅ではない。古人の教えに習い、自然をよく観察して自然から学び、自然と同居する住まいこそ、日本の風土に適した解決策である。


そうであろうか?

梅雨があり、秋の長雨があり、高温多湿な夏がある気候特性の下では、いかにして湿気の被害から逃れるかが、住まいの重要テーマであるはずだ。

解決策は、高気密に造り、外の湿気を家の内部に侵入させないことに尽きる。その上で、適切な機械換気を行い、生活で生ずる余分な湿気を臭いと共に排出するのである。では、臭いやホルムアルデヒドなどの有害物質が除去できればいいということで出てきた提案が「炭1トンの家」である。床下と天井に炭を置く。これが北海道で注目されているそうだ。だが、それは肝心な換気が疎かにされているし、炭の効果がいつまで続くのか疑問だ。


今日は雨。午後8時、外気温は21度、湿度は95%。絶対湿度17.4グラム。自宅は温度24度、湿度 63%。絶対湿度13.7グラム。

体感ハウスは、グラフのように床下でも湿度は平均で53%。「涼温換気の家」は、高気密に造られ、かつ第一種全熱交換型の機械換気(センターダクト換気)がしっかり行われているから、梅雨時といえどもすこぶる快適なのである。


無垢の木と漆喰で建てれば湿気を吸放出してくれると夢物語を語る造り手がいるが、湿気を吸収すると臭いも吸収し、やがては嫌な臭いを放出するようになる。ましてや隙間を容認し、自然換気に頼るとすると、湿気が土埃やPM2.5とともに止めどもなく侵入してきてしまう。

それでは、自然素材のために快適を我慢し、健康を損なうことになり本末転倒だ。


高気密は科学であり、高度な技術である。わが国での取り組みは、30年ほど前に始まったばかりであり、古人には考えもつかなかったし、経験もなかった。

高気密と高断熱は、1+1=2の世界のものであり、住み心地を良くするための絶対条件である。中気密・高断熱を数式化すると0.5+1=1.5となればいいのだが、住み心地という価値では、0×1=0となる。すなわち、中気密であっては、高断熱する意味がなくなってしまう。高気密・高断熱は、車の両輪のようなもので、どちらかが適当でよいというわけにはいかない。


「自然の気流を流す」、「風の抜ける家」などと言えば、たいへん耳触りが良いが、これほど無責任で非科学的な提案はない。「炭1トン」の方がまだましだ。湿気と臭いの悩みのない健康維持増進に役立つ快適な住まいを造るには、高気密にして機械換気(全体換気のできるもの)を用いるのが最善である。


湿度、とりわけ絶対湿度を無視しては、住み心地の良い家は造れない。であるとすれば、「中気密」という提案はあり得ない。

無垢の木や漆喰などの自然素材をふんだんに用いた昔の家が、住み心地という点ではどうであったか、思い出されるといい。住まいは、明確に、住む人の健康の維持増進に役立つものでなければならない。

  • 松井 修三プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
    「いい家」をつくる会代表
  • 著書新「いい家」が欲しい。
    (創英社/三省堂書店)
    「涼温な家」
    (創英社/三省堂書店)

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