第2回 「保護すれば、弱くなる」のか?
人間は、快適な環境になじんでしまうと抵抗力が弱まって、ひ弱になるという意見を言う人がいる。医学的な検証に基づくものではなく、単なる個人的な見解に過ぎないのだが、そのような意見は注目され易い。
実にもっともらしい考えとして。幼稚園児が乾布摩擦をして体を鍛えているということはニュースとして取り上げられるが、快適な家で暮らす子が風邪を引かないようになるという事実は、ニュースにならない。

つい最近、公立学校の教室に冷房を設置したらという提案がなされた。するとすぐに案の定、そんな贅沢を味合わせると子供がわがままになってしまうとか、健康に良くないとかいう意見が出てきて、予算要求はしりぞけられてしまった。
ところがである。
今日の日経夕刊、こども再発見のコーナーに、アトピー性皮膚炎で悩んでいる生徒たちが、教室に冷房を施設したところ、症状が緩和されて大変喜んでいるという話が書かれていた。
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アトピー性皮膚炎の生徒は一クラスに数人はいる。深刻に悩んでいる生徒も多い。だが昨夏、私たちの学校の生徒に大きなプレゼントがあった。全教室にクーラーが入ったのだ。「先生、クーラーが入って本当に助かりました」。三年生のC君が報告に来た。アトピーは自分の汗で悪化してしまうことも多く、汗をかいている間、かゆくてかゆくてものごとに集中できなくなる。「これで、授業に集中できる」と言っていた。
知り合いの皮膚科の医師からこんなことを言われた。「先生、教室にクーラーを入れるように言ってよ。世の中どこに行ってもクーラーがある生活なのに、なんで学校だけが入らないのかって!アトピーの子たちは、本当につらいのよ。だから学校に行きたくなくなっちゃうのよ。「この夏から全教室にクーラーが入ったんです」と報告すると、「それはよかった。アトピーの子たち喜んだでしょ」
クーラー設置は学校環境を整える意味でも大切だが、アトピーの子たちもすごく助かる。おまけに、体育の後に汗をきれいに流せるシャワーがあれば、体育も休まずに済む生徒も増えるんだけどなぁ。文部科学省が公立学校の冷房化を予算要求したというので期待していたが、結局、認められなかったという。残念でならない。
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ソーラーサーキット家に住むようになったら、アトピーや喘息の悩みが薄らいだとか、無くなったという話をしばしば聞かされる。しかし、公立学校にクーラーを入れるか否かを決定する人たちは、そのような家が存在することすら知らない。快適な住み心地を知らない人たちが、オピニオンリーダーとして君臨している世の中は不幸である。
教室にこそ快適な環境を与えるべきだ。不快なために、学校嫌いになってしまうようなことがあってはならないと思う。公立学校は、小中高校を問わず全室冷房にするといい。
2003年2月1日
松井 修三
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