外断熱・ハイブリッド・エコ住宅/空気がきれい! SA-SHEの家/マツミハウジング

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第14回 設計士の笑顔




  マツミハウジングの上棟は、立ち会うたびに感動を覚える。
受ける感じが、がっしり、堂々、頼もしさであり、そして美しく、温かく見える。
構造的なものもそうなのだが、上棟に携わる仕事師さんたちの動きにも大いに魅せられる。一つ一つの動作に、気迫がこもっていて、リズミカルだ。
さらに、現場監督さんたちの動き方、気配り、緊張感が頼もしい。
その日はYという設計士さんにとって、入社して初めて担当したお客様の上棟日だった。暑さがぶり返した中での上棟だったが、棟も上がった夕刻には涼風が吹いて、秋の気配を感じさせていた。
私は、お客様が松井さんの本だけではなく、私の読者でもある場合には、なるべく地鎮祭と上棟に参加させていただくようにしている。
私が到着すると、ヘルメットをかぶったYさんが満面に笑みを浮かべながら走り寄ってきた。
「おめでとう!」
「はーい、ありがとうございます」
彼は大きな体をペコリとかがめ、進捗状況を説明してくれた。30才半ばでありながらその表情には、まるで赤子のように純粋な笑顔が絶えず、まばゆいほどだった。
「これからお客様をお迎えに行ってきます」
彼は、そう言い残すと走り去った。その後ろ姿を追いながら、中途採用されて半年を過ぎたばかりの設計士に、あれだけの意気込みを与えるマツミハウジングの現場のすごさを感じた。

マツミハウジングには、「住まいとは、幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ家づくりに携わってはならない」という一貫した信条がある。その信条が、社員、大工さん、職人さんの一人一人に透徹することに対して、松井さんの指導と注文は、実に厳しいものがある。
  やがて、お客様ご夫妻が現場に到着された。
「うわーっ、こんなに立派に建ち上がって・・・」
夫妻は、感慨に包まれて涙ぐまれた。
現場にいる人たちにもその感慨が伝わっていき、辺りには沈黙が一時流れた。
お客様は、一語一語をかみしめるようにこんな挨拶をされた。
「私たちは、土地を手に入れることは数年前にできていたのですが、どこに建築を依頼したらよいのかずっと悩み続けていました。ある日、本屋さんで松井さんと久保田さんの本にめぐり合いました。
夫婦二人で、二冊の本を読み終わったとき、私たちの悩みは完全に吹っ切れていました。そして、本日の上棟を迎えることができたのですが、これまでに基礎工事を拝見し、こうして組みあがったわが家を見ていますと、松井さんが本に書かれていた正直な家づくりを実感できて、とてもうれしく思っています。」
話を聞きながら、私は4年前に自分も同じ立場で、同じようなことを感じたことを思い出していた。
「正直な家づくり!」
正直とは、工法も、資材も、手間も、すべてをお客様の立場になって最善の選択をすることだ、と松井さんは言う。
柱の一本一本に触りながら、ご夫妻の笑顔に満足感が強まっていくのがはっきりと分かった。その傍らに立っている設計士の笑顔に、私は正直な家づくりに携われる者の幸せを感じていた。
                                       

2004年9月20日
久保田 紀子


 

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