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第28回 「いい家」に進路を!


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8日の東京体感ハウスでの勉強会に参加されたKさんは、15日には横浜体感ハウスへご夫妻で来られた。
翌日、「ぜひマツミさんでお願いしたいので、現地を見に来て欲しい」と電話をいただいた。「車で1時間以内の距離ですから」という付け足しがあった。
横浜事務所を出発してから東名にのってKさん宅の前に到着したのは、55分後であった。
「ちょっと遠いなー」と私がつぶやくと、同行した久保田紀子さんと設計士の大畠がうなづいた。
そのとき、玄関ドアが開いて奥さんが笑顔で現れた。リビングに通されたのだが、私はテーブルの片隅に付箋がたくさん付けられた〔「いい家」が欲しい。〕と〔さらに「いい家」を求めて〕の二冊が置かれているのを発見した。
「うわーっ、うれしいですね。二冊の本をいつもテーブルに置いてくださっているのですか?」
「この二冊に出遭うまでは、何十冊も積んであったのですよ」
奥さんが笑いながら説明した。
「我々の勉強の軌跡をお見せしましょう」
ご主人は、隣室から住宅本を一抱え持ってきてテーブルの上に並べた。
「いや、こんなものではありません。さんざん迷って昨年の後半に方針が決まりましてね、コンクリートの家にしようと。それからはインテリアの勉強が始まりました」
また、一抱え、今度は住宅雑誌を持ってこられた。
「ところがです。暮れに女房が久保田さんの本を見つけてきました。“お父さん、とにかくこの本を読んでよ”と言うものですから読みました。それで、“ええっ!”となりましてね。さっそく今度は松井さんの本を読んだのです。
いやー、たいへんなショックを受けました。それで二人で話し合いました。
“我々の考えをご破算にして、一からやり直そう”と。
それで年が明けて最初の勉強会に参加させてもらいました。プロジェクターを用いての説明は判り易く、迫力がありました。そして、実際に著者である松井さんと久保田さんから直接お話が聞けたことは感激でしたよ。
15日には横浜を体感させていただき、その後は二人とも何が何でも“いい家”が欲しいと願うようになりました。
思いは通ずるものですね。こうして、松井さんと久保田さんが来てくださったのですから」
Kさんが一挙に話すと奥さんが、
「久保田さんの本は、同じ主婦の目線で書かれているだけに素直にうなづけますね。家を建替えようと決めてからかれこれ10年も迷ってきましたから、きっと神様が久保田さんの本に導いてくれたのだと思っています」と話をつがれた。
するとご主人が、
「早く建てなくて良かったですよ。“建ててしまった人は読まないでください。ショックを受けますから”になるところでした。松井さんのお正月のコラム通りに、我々もようやっと“いい家”に進路が定まりました」
ご夫妻は、人にやる気を起こさせる名人のようであった。
「必ずご満足いただける住み心地のいい家をお造りします!」
そう答えた私の心の中には、家が建て替わって、ご夫妻が幸せに暮らされている姿が鮮明に浮かんでいた。

2006年1月19日
松井 修三


 

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