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  【 ご案内所長のひとり言|クレダの旅 】
 

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No.1

2002年9月24日


  いよいよクレダの旅が始まった。参加者は、松井さん、現場監督のNさんと私の3人である。
 11時50分に成田を発って11時間45分後にイギリスのヒースロー空港に到着した。
 空港からロンドン市内に入る手前に「THE ARK 」という船の形をした一風変わったビルがあった。まずはそのデザインの斬新さに、イギリスは伝統と歴史を重んずるところという先入観が、カウンターパンチを食らってしまった。
 まもなく想像していたとおりの赤レンガの家々が目に入ってくる。屋根の上にニョキニョキと立っている蛸壺状の突起がチムニー、すなわち暖炉の煙突である。
 市内にはいると、歩道を行き交う人が多く、歩き方がおそろしく早いのでびっくりした。英国紳士と淑女はゆっくりと歩くという先入観も吹っ飛んでしまった。真っ赤な2階建てバスや黒塗りで箱形のタクシーが、競争しているかのように走り回って、市内は想像以上に活気にあふれていた。
 夕刻のラッシュ時の渋滞にはまってしまったおかげで、車内からロンドンの街をゆっくりと観察することができた。レンガ造り、石造りの建物はどれも歴史を感じさせるものばかりで、明日から貴重な収穫が得られそうで胸がときめいてならなかった。
 

レオナードホテル

 18時に、これから7日間お世話になる予定のレオナードホテルに到着した。3人とも疑問を感じたのだが、我々はホテルの前の通りを挟んだ向かい側にある建物へ案内された。
 玄関ドアを開けると赤い絨毯敷きの廊下の向こうにいくつかドアがあり、奥の突き当たりのドアを開いたところに3部屋が用意されているという。最初の部屋の前を通って右に曲がると地下に下りる階段があった。
 「えっ、地下室?」
 一瞬ギョッとしたがNさんと私は地下の部屋ということになった。部屋にはバス・トイレが付いていたが寒々としていた。
 暖房が富士通のエアコンであることに気づいて、ぜんそく持ちの私はかなりのショックを受けた。空気暖房は最悪である。換気はどうなっているのだろうとバスルームのスイッチを入れたら、換気扇がうなり声を発して回り始めた。通りを走る車の音が途絶えると、エアコンの屋外機のモーター音が気になってきた。トイレに行けば寒く、便座は冷たくて座るたび身が縮んだ。
 しかし、そのホテルを予約したのは私であった。インターネットでさんざん調べて、ここなら大丈夫と判断したのだが甘かったようだ。
 「寝るだけですから、ここで十分ですよ」
 松井さんとNさんにそう慰められたけれど、ホテルの部屋の居心地や雰囲気やサービスが、旅の印象に与える影響は決して小さくはないはずだ。
 長時間のフライトで疲れ果てていたせいか、松井さんとNさんは食事を済ませると早々とそれぞれの部屋に入ってしまった。一人になると選択ミスに対する自責の思いと、ぜんそくの発作が起きないかという不安でなかなか寝つかれなかった。それでも壁のクロスの色柄がローラ・アシュレーのようであり、温かみがあり慰められた。

 部屋の隣はキッチンになっていた。どうやら長期滞在者用の部屋だったらしい。L字型のシステムキッチンで、左手に大型冷蔵庫→乾燥機付きドラム型洗濯機→食器洗い→流し(ディスポーザー付き)→そこから曲がって調理台→電気コンロ台(オーブン付き)となっていた。オール電化なのである。
 後に知ったことだが、イギリスの家庭では台所がオール電化は多いそうだ。
 そして深夜電力を上手に利用する。夜の12時から朝の7時までの7時間を利用して、洗濯をし、食器も洗う。そしてクレダのような暖房機に蓄熱をする。朝起きれば、部屋は暖かく、洗濯は出来上がり、食器もピカピカ状態になっている。料金は、昼間の3分の1程度のようだ。
また、ディスポーザーが普及していて、生ゴミは瞬時に下水に流れてしまう。質素な生活を心がけるという国民にしては、合理的な暮らし方をするものだ。

震度3の地震

 私たちが到着する前日にイギリスの中西部で震度3ぐらいの地震がおきたとのこと。日本ではその程度ではだれも驚かないが、小さな地震が稀にしか起きないイギリスでは、ショックで気絶した人が出たそうだ。建物の倒壊もあったと聞く。イギリスは地震も台風もめったに無い国のようである。夏は涼しく、冬はメキシコ湾からの暖流の影響で、湿気が多く雨も多い。同じ島国ではあっても、日本と比べるとかなり異なる風土のようである。
 そしてストーク・オン・トレントのようにいい土に恵まれているから、大地からレンガを安く、簡単に量産することができる。
 レンガ造りの建物が多いのは、昔からレンガが好まれたからというよりは、「その土地に合う家造り」をしてきたということのようである。

 松井さんのイギリス訪問の目的は、クレダに関する情報収集である。クレダという暖房機にほれ込んで、〔「いい家」が欲しい。〕で推奨している人として、その生産と供給体制を今後も信頼して大丈夫なのか否かを直接確認することにある。現在クレダは、アプライド・エネジー社が生産販売をしているという。そこで明日はまずロンドン市内にあるショールームや実際に使われている家などを視察して意見交換をすることになっている。


 
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