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第4 SA−SHEの家にバージョンアップ

 10年前にソーラーサーキットの家を建てられたSさん夫妻が、新換気システム(CS−HVS)によるSA−SHEの家を体感に来られた。
 SAのSは、Surpass(より優れた)で、AはAmenity(住み心地)の頭文字である。
 建てて7年になる私は、リニューアルされた体感ハウスの住み心地が間違いなくSurpassであると実感しているのだが、はたしてSさんご夫妻の感想はいかがになるだろうか、たいへん関心があったので案内役は私が買って出た。
 
 まず床下に入り、ダンパーがなくなり、水捨て不要のコンパクトな除湿機に代わったことを説明し、小屋裏へと上がった。そこで新換気システムを、そして二階に下りてセンターシャフトを見ていただいた。
 話は一階のリビングでしたのだが、ご夫妻ともに気さくな方で、とても仲むつまじく若々しく見えた。
 「ご結婚されて何年目でいらっしゃいますか」と、つい、失礼なことを聞いてしまったほどに。
 「私は73歳で、主人は75歳です。長いですよ」と奥さんが笑われた。
 どう見ても60代にしか見えない。
  「私の両親とあまり変わらないのですね。両親は寒い家で暮らしていて、二人そろって心筋梗塞になり手術を受けました。松井さんの強い勧めがあって、事前に断熱リフォームをしましたので、退院してきてから体の負担が少なくて回復がとても順調でした。訪ねるたびに、この家が元気にしてくれたと喜んでいます」
 ご主人が大きくうなずかれた。
 「そのとおりです。家の影響は大きいですよ。住み心地のいい家で暮らすと、確かに元気になります」
 「お若く見えるのは、そのせいもあるのでしょうね」
 私は本当に感心していたのでそう言った。すると奥さんが、
 「そうかもしれません。私たちはどこかに出かけていても家に帰ってくるとホットするのですよ。家が一番いいです。暑いとか寒いというストレスがありませんから、毎日が楽しくて」と、ご主人と顔を見合わせてニッコリ微笑まれた。
 
 住まい方について尋ねたのだが、冬はクレダ1台を基本として、特に冷え込んだときだけエアコンを使い、夏は1台のエアコンで十分快適に過ごしているとのこと。
 「ということは、年間の冷暖房費が少ないのでしょうね」
 「そんなにはかかっていないと思いますが、そう言われてみるといくらぐらいかかっているのでしょうか?」
 私は、ざっと計算してみた。
「クレダは18型を1台ですから一月が7千円ぐらい、それを12月から3月までの4ヶ月間とすると28,000円。まあ30,000円としておきましょう。夏はエアコンを7月から9月の3ヶ月使うとして、一月、2000円として6000円ぐらいでしょう。となると、年間で36,000円前後・・・」
 ご主人が言われた。
 「うちは、見晴らしのよい高台に建っていますから、冬は日当たりが良過ぎるくらいです。夏は風通しがいいので窓を開ければエアコンいらず。それに日射しをシャッターなどで遮っていますから冷房はそんなに必要ないのです。どうしてもむしむしするようなときに除湿をしますが、それにしても45坪ほどの広さの家にしては、冷暖房費が安いので驚いています」
 
  ところで、床下ダンパーは5月に入った頃から開けっ放しのままであるという。そこで、体感ハウスに用意されている湿り空気線図で水蒸気分圧の説明をした。すると、梅雨時のほとんどの日はダンパーを閉じておく方が、湿気を招き入れないで住み心地にも床下の環境にもプラスになることが納得できる。
 ご主人は大きくうなずかれた後で、
 「そう言われてみると、一階の和室がちょっとかび臭く感じるときがありますよ」と、不安そうな表情になった。
 「かび臭い!それは家が病気のシグナル」と松井さんは常に言っている。もしかすると、床下にカビが発生しているかもしれない。私は早速点検にお伺いすること約束した。
 
 それから会話が弾んでかれこれ3時間近くが過ぎた頃、ご主人が大きく手を広げられ深呼吸をしながら言われた。
 「うーん、この家の空気は、確かに気持ちいいですね。3階のエアコン1台で家中がこんなに快適であるとは、さすがだなー」
 奥さんも心から賛同の様子で、
 「これは新換気システムだからなのですか?」と尋ねられた。
 私は用意してあったSさんの家の図面を開いて、新換気へのリフォームはどうしたらできるかを話し合った。
 
 家造りで一番大切なことは住み心地であるとする松井さんは、その住み心地を左右する換気について人一倍研究熱心な人だ。
 「この10年間の間に、マツミの家造りは間違いなく進化していることが、今日体感してみてよく分かりました。わが家をSA−SHEの家にバージョンアップをすることを検討します。それにしても松井さんは、相変わらず研究熱心ですね」
 Sさんは、根っからの松井ファンのようだ。松井さんの話になると、表情が信頼感で一杯になるのでよく分かる。
 
 外に見送りに出ると、生暖かく湿った空気がまとわりついてきた。自転車で帰られるご夫妻の姿を目で追いながら、私は今日も思った。
 「空気がきれい!それが何より大切だ。私の家もSA−SHEの家に早くバージョンアップしよう」と。

2008年7月7日
久保田 紀子

 

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