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松井修三の「思ったこと、感じたこと」

一条工務店との違い

「涼温な家」か、一条工務店か、決めかねているというお客様から、いろいろとご質問をいただいた。

これは、設計士が書いた返事である。


<ご質問についてお答えさせていただきます。

弊社の基本的な考えからお話しします。

弊社は、「住宅の一番大切な価値は住み心地である」と考えます。

「住む人の幸せを心から願える者でなければ、住い造りに携わってはならない」という信条に基づいて、正直に家づくりと取り組んできた結果、たどり着いたのが上質な住み心地を実現した「涼温な家」です。

そこでは、住み心地が保証されます。保証されないのであれば、絵に描いた餅と同じですから、保証できるように設計・施工をします。


「涼温な家」の住み心地は、構造・断熱・換気・冷暖房の四つの要素によってもたらされます。

それぞれを「一連」のものとして設計・施工します。

一条工務店さんは、別々です。


見た目でも分かる第一の違いは、構造材です。

一条工務店さんは、防腐・防蟻処理をした材木であり、「涼温な家」は木そのものです。木材の防腐処理は、必要ありません。内部結露が起きないからです。

防蟻は、基礎外断熱に施工される「特許MP工法」で、薬剤を一切使わない物理的なものです。


第二は、断熱の方法です。

弊社は、外張り断熱で、お客様のご要望がある場合には、充填断熱を付加することができます。Q値は、1.9(UA値0.56)程度です。

一条さんは、外張り+充填で特殊な構成によってQ値0.51という驚異的な性能を誇っています。

断熱性能は、断然、一条さんが優れています。


弊社が断熱性能を公表しないのは、それだけを取り上げても意味がないからです。

断熱性能が優れるほど、一次エネルギー消費量、つまり家の燃費が減るかといいますと、ほとんど変わりはないと思います。

「涼温な家」は、国の基準値の約20%ダウンが標準です。太陽光発電をすれば「ゼロ・エネ」になります。


ご承知のように、断熱性能は気密性能と一対に扱わねばなりません。どんなに断熱性能が優れていても、隙間があったのでは意味がないからです。

「涼温な家」は、「換気が命」の家づくりを心掛けていますから、相当隙間面積を0.3㎠/㎡以下にするように努めています。これは、量産できるものではなく、「現場の良心」がないことには実現不可能です。

一条さんの数値が分かりませんので比較できませんが、弊社では全棟お客様の立会いの下で気密測定を実施しています。

もっとも、一条さんがフィリピンにある工場で、ロボットによって組み立てるアイ・キューブという商品は、断熱・気密性能ともに「ダントツ」だそうです。

(コラム「ロボットが造る家」をお読みください)


第三の違いは、換気と冷暖房の方法です。

断熱性能では著しく劣るのに、住み心地では優れていると主張する理由ですが、住み心地をそれ以上に左右する換気と冷暖房の方法に優れていると確信するからです。

第一種全熱交換型換気+センターダクト換気の組み合わせ(特許)は、従来からの換気の概念を覆しました。換気の経路を逆転させ、微弱な空気の流れで確実に換気の効果をもたらします。


住み心地の急所は、空気の気持ち良さに尽きます。暖房・冷房の効きが良いことはこれからの家では当たり前ですが、空気の気持ち良さなくして健康維持増進に役立つ家にはならないからです。

一条さんとの違いは、「住み心地体感ハウス」でご確認いただけます。


これからの家は、寿命100年時代を見据えて、健康寿命を延ばすための投資と考えるべきだと弊社は考えています。そのためには、家中を涼温房に保ち、どこにも快適差をつくらないようにしなくてはなりません。

住む楽しみを満喫し、「日常生活動作」を鈍らせないことが大事だと考えます。


この点からも一条工務店さんの床だけ暖房、そしてルームエアコンには賛成しかねます。

「涼温な家」で用いる涼温エアコンの効果は、家中が、床も壁も天井もほぼ同じ温度となり、外断熱によって蓄えられた熱が放射され、体感温度を快適に維持し続けます。


省エネにしばられ、局所・間欠冷暖房で縮こまる暮らしをするのではなく、「いいなー、いいなー」と家中を歩き回りたくなる家に住みたいものです。

ドアのことですが、開閉によって快適差が生じてしまうのは換気と冷暖房の方法に問題があるのです。開けても、閉めても関係なく快適であることが大事です。

プライバシーのためにドアを設けることは、まったく構いません。


さて、住み心地はご指摘のとおり主観的な価値判断です。しかし、1000の家を造り、1000の家族が住み心地に満足してくださっているとしたら、客観的な価値になるのではないでしょうか。

ホームページのお客様の住み心地感想をぜひご覧ください。


「涼温換気」は、立地と間取りにもよりますが、基本的に50坪ほどの広さの家を1台のダクト用エアコンで涼温房します。部屋の中では、エアコンを用いるべきではありません。不快であり、冷風は特に不健康だからです。


太陽光発電の採用は、お客様のご希望で対応しますが、敢えてお薦めはしていません。20年以内に、もっと変換効率が高く、美観に優れ、格安な製品が登場することが確実視されているからです。

(コラム「色のある屋根」をお読みください)


アフターメンテナンスは、家が存続する限り続けることをお約束します。住む人の幸せを心から願う家づくりですから当然の責務です。


一条工務店は、名前が「工務店」ですが大手ハウスメーカーです。断熱性能だけでなく、太陽光発電搭載数、住宅展示場数、そして経営健全度もナンバーワンであると自負されています。

弊社が優っているのは、住み心地を保証するという点だけですが、必ず、「涼温な家」を選択して良かったと思っていただけますよう、精いっぱい努力します。>


体感ハウスに来られたお客様がこんな質問をされたそうだ。

一条工務店の営業マンが、「涼温な家」では、空調の都合でドアはつけられない。住んだ人が、プライバシーの点で困っているようだと言っていたがどうなのだろうかと。


ドアには、なんの制約もない。脱衣所の入り口にドアを付けず、ロールスクリーンにしている家が何軒もある。寒くないのだから、プライバシーだけ保てるならそうした方が合理的で気持ちがいいからだ。

必要なら、簡単に後付けできる。


一条工務店か、「涼温な家」か、迷われている方は、ぜひ体感に来ていただきたい。

「ダントツの断熱性能」と床暖房、太陽光発電搭載は、住む人のためというよりも営業上の都合なのではなかろうか。

前者が住み心地にはマイナスに作用する場合があることについて、拙著「家に何を求めるのか」の「放射熱のストレス」をお読みいただきたい。

床暖房は、冬だけのものである。「涼温な家」の四季快適、とくに夏の涼しさを体感されると、迷いは吹っ飛んでしまうであろう。

東京都は、太陽光発電を住宅にも義務化するそうだが、いつの日か屋根の上に載せた厄介な設備になる確率は高い。

(コラム「屋根の上に載せた厄介な設備」をお読みください)


拙著、新「『いい家』が欲しい。」改訂版Ⅳ「涼しさの質」をお読みいただきたい。わが国の家づくりがこんなにも進化しているのかと驚かれるに違いない。そして、温暖化がますます顕著になると言われる時代、夏対策を持たず、電動シャッターをつけず、床暖房を必須とする家づくりの矛盾に気付かれるはずだ。

「涼温な家」は、床下も、屋根裏も1年中快適空間として利用できる。一条工務店は、それらの部位は温熱的に外部扱いだ。

家の面積の約20%が快適な収納スペースとして使えるか否か、この損得は実に大きい。

松井修三プロフィール
  • 松井 修三 プロフィール
  • 1939年神奈川県厚木市に生まれる。
  • 1961年中央大学法律学科卒。
  • 1972年マツミハウジング株式会社創業。
  • 「住いとは幸せの器である。住む人の幸せを心から願える者でなければ住い造りに携わってはならない」という信条のもとに、木造軸組による注文住宅造りに専念。
  • 2000年1月28日、朝日新聞「天声人語」に外断熱しかやらない工務店主として取り上げられた。
  • 現在マツミハウジング(株)相談役
  • 著書新「いい家」が欲しい。(創英社/三省堂書店)「涼温な家」(創英社/三省堂書店)「家に何を求めるのか」(創英社/三省堂書店)