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松井祐三の「外断熱」物語

松井祐三 写真

はじめに

創業50周年を記念して発行したこの冊子は、私がマツミハウジングに入社し、経営に携わるようになるまでの思い出話なのですが、小さな工務店が高邁な信条を掲げ、住む人の健康と家の寿命に直結する断熱・換気の方法、そしてシロアリ問題と真正面から取り組み、安心・安全な「上質な住み心地」の家、すなわち「涼温な家」にたどり着くまでの物語でもあります。

創業者である父松井修三は、次のメッセージを寄せてくれました。

1972年5月、マツミハウジング株式会社は不動産業者として誕生しました。

創業したのは、私、松井修三(83歳)です。

当時、現在の社長である祐三(3歳)の他に3人の息子がいて、東大和市の畑の中に建てられた2DKの借家に住んでいました。

仕事を終えて帰宅すると、彼らはウルトラマン遊びに家中狭しと熱中していて、その喧噪の主役はいつも祐三でした。お客様から電話がかかってくると、コードを長くしてある電話を持って真冬でも玄関の外に出て商談をしたものでした。

その頃の日本は、高度経済成長の終わりに近く、オイルショックの頂点に差し掛かるという不安定極まりない情勢にありました。経営が苦しくなることは何度もありましたが、応援してくださる方々に恵まれ、5年後には念願の住宅会社としての足場を築くことが出来ました。


「辛いと思ったことで、ためにならないことは何一つなかった。振り返ってみれば、あの辛さに耐えたから今があるのだと感謝できる」

これは、会社の経理を担っていた妻と語り合った言葉です。

常に前向きで、明るく、愚痴を一切言わなかった妻、なつ子は昨年11月24日にガンで亡くなったのですが、「あなたの言葉は確かです。いい人たちに恵まれ、助けていただき、本当に幸せでした」と言い残してくれました。

いつかは結婚式を挙げるという約束は果たせませんでしたが、こうして物語に取り上げられたことを喜んでくれていると思います。


2007年に、祐三に社長を引き継ぎました。

「創業することに比べると、引き継ぐことははるかに難しい」と多くの人が言っていますが、皆様のお役に立てるよう全力を尽くしてくれると確信しています。

創業者 松井修三

ここからは、拙著「だから『いい家』を建てる。」からの抜粋に加筆・編集しましたが、マツミハウジングという会社をより知っていただく一助になれば幸甚です。

これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

マツミハウジング株式会社
代表取締役社長 松井祐三

 

第一部 父の子育て

第二部 就職

第三部 「外断熱」の家

第四部 住まいと家族

第五部 転機

おわりに